変わった人が結構いますよね。

2017.09.30 18:49|心に響くもの
マチルダです。

摂食障害になって、16年になります。



過食嘔吐を繰り返し、28kgまでストーンと体重が落ち、

意識もはっきりしなかったり、ふらふらしたり。

それは、それは、ひどい状態でした。

おかしな行動もしただろうし、発言も、キツかったり、わけのわからないこと言ったり。

記憶にないこともあります。


でも、世の中、変わった人が結構いますよね。

これは、やばいだろ~ とか、皆さんも思うことあるでしょう?
(まあ、私が言えたことではありませんが)

変わった感じが、ユニークな人もいますよね。

そういうの、大好きです。


先日、「コンビニ人間」 を読みました。

かなり、話題となった作品ですよね。

もうね、おもしろくて、夢中で読みました。


感性が独特で、なんとも絶妙な表現なんですね。

私が気に入ったフレーズを、記録として、書いておきます。




コンビニ人間

全ての音が混ざり合い、「コンビニの音」 となって・・・・・

店内に散らばっている無数の音たちから情報を拾いながら・・・・・

自分はまた何か悪いことをしてしまったらしいが、どうしてなのかは、わからなかった。

父も母も困惑してはいたものの、私を可愛がってくれた。
父と母が悲しんだり、いろんな人に謝ったりしなくてはいけないのは本意ではないので、
私は家の外では極力口を利かないことにした。
皆の真似をするか、誰かの指示に従うか、どちらかにして、自ら動くのは一切やめた。
必要なこと以外の言葉は喋らず、自分から行動しないようになった私を見て、
大人はほっとしたようだった。

そのとき、私は、初めて、世界の部品になることができたのだった。
私は今、自分が生まれたと思った。
世界の正常な部品としての私が、この日、確かに誕生したのだった。

完璧なマニュアルがあって、「店員」 になることはできても、
マニュアルの外ではどうすれば普通の人間になれるのか、
やはり、さっぱりわからないままなのだった。

眠れない夜は、今も蠢いているあの透き通ったガラスの箱とのことを思う。
清潔な水槽の中で、機械仕掛けのように、今もお店は動いている。
その光景を思い浮かべていると、店内の音が鼓膜の内側に蘇ってきて、
安心して眠りにつくことができる。
朝になれば、また私は店員になり、世界の歯車になれる。
そのことだけが、私を正常な人間にしているのだった。

私の身体の殆どが、このコンビニの食材で出来ているのだと思うと、
自分が雑貨の棚やコーヒーマシーンと同じ、この店の一部であるかのように感じられる。

今の私を形成しているのは、ほとんど私のそばにいる人たちだ。

こうして伝染し合いながら、私たちは人間であることを保ち続けているのだと思う。

「きっと家に問題があるんだ」 と根拠のない憶測で家族を責める大人ばかりだった。
私が虐待児だとしたら理由が理解できて安心するから、
そうに違いない、さっさとそれを認めろ、と言わんばかりだった。

夜になると、オフィスの光が幾何学的に並ぶ光景に変わる。
光も無機質で、均一な色をしている。

皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。
私には、それが迷惑だったし、傲慢でうっとうしかった。

興味深いので、私は見下している人の顔を見るのがわりと好きだった。
あ、人間だという感じがするのだ。

何かを見下している人は、特に目の形が面白くなる。
そこに、反論に対する怯えや警戒、もしくは、
反発してくるなら受けてたってやるぞという好戦的な光が宿っている場合もあれば、
無意識に見下しているときは、優越感の混ざった恍惚とした快楽で出来た液体に目玉が浸り、
膜が張っている場合もある。

皆が笑い声をあげ、私も 「そうですね!」 と頷きながら、
私が異物になったときは、こうして排除されるんだな、と思った。

けれど、私は確かにあの日と同じ光景を繰り返している。
あれから 6607回、私たちは同じ朝を迎えている。

探るような言葉の中に、どこか母が変化を待ち望んでいるような気がする。
18年間なにも変化しない私に、母は少し疲れているのかもしれなかった。

気が付くと、小学校のあのときのように、皆、少し遠ざかりながら私に身体を背け、
それでも目だけはどこか好奇心を交えながら不気味な生き物を見るように、こちらに向けられていた。
あ、私、異物になってる。
ぼんやりと私は思った。

正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。
まっとうでない人間は処理されていく。
そうか、だから治らなくてはならないんだ。
治らないと、正常な人たちに削除されるんだ。
家族がどうしてあんなに私を治そうとしてくれているのか、やっとわかったような気がした。

いくら真面目でも、頑張っていても、身体が歳を取ったら、
私もこのコンビニでは使えない部品になるのかもしれない。

「世界」 というものが何なのか、私にはだんだんわからなくなってきていた。
架空のものであるような気すらする。

皆が不思議がる部分を、自分の人生から消去していく。
それが治るということなのかもしれない。

皆、初めて私が本当の 「仲間」 なったと言わんばかりだった。
こちら側へようこそ、と皆が私を歓迎している気がした。

客だけは、変わらず店に来て、「店員」 としての私を必要としてくれる。
自分と同じ細胞のように思っていた皆が、
どんどん 「ムラのオスとメス」 になっていってしまっている不気味さの中で、
客だけが、私を店員であり続けさせてくれていた。

自分はもう、その時間の流れから取り残されてしまったのだと思った。

私の耳は、静寂しか聞いてなかった。
私を満たしていたコンビニの音が、身体から消えていた。
私は世界から切断されていた。

どうやら私と白羽さんは、交尾をしないほうが人類にとって合理的らしい。
やったことがない性交をするのは不気味で気が進まなかったので少しほっとした。
私の遺伝子は、うっかりどこかに残さないように気を付けて寿命まで運んで、
ちゃんと死ぬときに処分しよう。
それは解ったが、そのときまで私は何をして過ごせばいいのだろう。

その時、私にコンビニの 「声」 が流れ込んできた。
コンビニの仲の音の全てが、意味を持って震えていた。
その振動が、私の細胞へ直接語りかけ、音楽のように響いているのだった。

-----------------------------


amazon.はこちら。



これも、面白そうですね。




もうすぐ、楽天お買い物マラソンが始まります✨
お買い物モードで、ルンルンです♫



ランキング参加してます!








テーマ:摂食障害
ジャンル:心と身体

タグ:過食嘔吐 摂食障害 栄養失調 依存症 衝動 引きこもり コンビニ人間 村田紗耶香 amazon 芥川賞受賞

Comment

非公開コメント

| 2018.10 |
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

マチルダ

Author:マチルダ
摂食障害になって、16年になります。
この16年間、孤独になり、色々なことを考え、色々な人と出会い、色々なことを経験しました。
吐きたい心、枯渇した心、偏る思考、それに振り回される身体。
極度の栄養失調。
その中で、私が感じたことを綴ります。
希望とともに。

最新記事

カテゴリ

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
心と身体
1858位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
メンタルヘルス
272位
アクセスランキングを見る>>

ランキング応援お願いします!

FC2Blog Ranking

ブログ村

免責事項

当サイト内の掲載記事の情報は、私自身が経験したことをもとにしています。 ご本人の判断で、自己責任のもと、お読み願います。 また、時々ご紹介しているアロマセラピーは、基本的取扱い方、使用法を十分に知った上で、ご利用ください。 万が一、ケガやトラブルや、その他、発生した際には、一切の責任を負いかねますので、ご了承願います。

ランキング

amazon

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

リンク

ページトップへ